日本歯周病学会 歯周病専門医

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富山県小矢部市津沢796-4

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歯周病専門治療

当院は、歯周病専門医が科学的根拠に基づいて治療を行っていきます。このホームページでは、歯周病の成り立ち、病態、それに伴う検査、治療方法を説明致します。また、解説図と実際に治療をおこなってきた症例を紹介します。
「歯茎が何度も腫れる」、「歯が動き出した」、「歯ブラシの時に出血する」、「口臭が気になる」などの症状が気になる方は歯周病が疑われます。まずは、歯周病検査を行って診査・診断し、治療計画を立案して治療を進めていきます。歯周病治療は、歯肉からの出血の有無、歯の動揺、歯周ポケット検査、レントゲン検査など、治療効果を客観的に評価することができます。

歯周病は、患者さん自身の免疫力で治っていきます。ただ、環境が整わなければ治りません。
治っていく環境作りをして治癒のお手伝いをすることが私達の仕事になります。気軽にご来院ください。

歯周病の成り立ち!

歯周病の原因はプラーク(歯垢)です。そのプラークとは食べカスではなく、ほとんどが細菌(歯周病菌や虫歯菌)とその代謝物質から成ります。歯の表面にプラークが付着していると、歯肉に炎症を起こし、さらには歯槽骨(歯を支える骨)を吸収して行きます。

このプラーク中の細菌は、ほとんどが単独では存在せず、バイオフィルム(菌体外多糖体)といって細菌が産生した粘膜状のバリアーの中で集合体となっています。つまり、バイオフィルムがあるため、うがい薬などの抗菌薬では細菌を除去することが難しいのです。

バイオフィルムとプラーク

歯の表面にずっとプラークが付着していると、歯肉は炎症を起こします。この状態が歯肉炎です。そして歯肉炎が進行すると歯周炎となり、歯槽骨が溶け始めます。では、歯肉炎と歯周炎の違いを模式図で解説します。

左下図が歯肉炎を示します。プラークが付着し、歯肉に炎症を起こします。症状としては、歯肉が腫れて出血を伴うことが多いです。自然に出血する場合もあれば、歯ブラシ時に出血する場合もあります。この段階では、歯周炎のような「付着の喪失」や「歯槽骨の吸収」は起こっていません。歯肉炎が進行すると右下図のような歯周炎になります。歯周炎では、歯肉炎では起こらなかった「付着の喪失」や「歯槽骨の吸収」が起こってきます。

歯肉炎→悪化すると→歯周炎

付着」とは、何か。左下図は健康な歯と歯肉の関係を示し、右下図は歯周炎を示します。
まず、歯は歯槽骨(歯を支える骨)にて支えられています。そして、その歯槽骨を包むように歯肉が覆い被さっています。歯肉はただ単に覆い被さっている訳ではありません。歯肉と歯が上皮細胞(上皮性付着)と結合組織線維(結合組織性付着)でいわゆる「付着」しており、歯周病菌が侵入してきても、その付着がバリアーとなり歯肉の健康が維持されています。歯周炎はその「付着」によるバリアーが失われた状態で、歯周病菌が歯と歯肉の間にどんどん侵入し、巣を作ります。そして歯周病菌は「歯肉縁下歯石」という強固な歯肉の中の歯石を形成します。この「歯肉縁下歯石」は通常の白い歯石(プラークが唾液の酵素によって固まった歯石)とは異なります。歯肉縁下歯石は、無機質を血液から供給されるため茶褐色で、内毒素を含み歯槽骨を吸収して行きます。

つまり歯周炎は、歯と歯肉が付着して細菌を防御している機構が失われ、歯と歯肉の間の溝に歯周病菌がどんどん侵入し、歯肉縁下歯石を形成し、内毒素により歯を支えている骨をどんどん溶かしていってる状態なのです。
薬を飲んで歯茎の腫れが引いても、しばらくしてまた腫れたり痛みが出たりした経験はありませんか?薬を飲んで、一時的に細菌の数が減っても、歯周病専門治療である歯肉の中の「歯肉縁下歯石」を専用器具で取りきらなければ、歯周病菌の巣は無くなりません。治療せず放置すると、歯茎が腫れる度にどんどん歯槽骨が吸収してそのうち歯がグラグラになって抜けてしまうのです。

健全な歯周組織と歯周炎

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